東京マラソン2025。走ることを願いながらも出走権を得られなかったランナーたち。
彼らはMastercardに、自分の走る情熱とその理由を届けてくれました。
その思いに応えるため、サプライズで出走権をプレゼント。
彼らの「5人のランナー、5つの走る理由」をお届けします。
東京マラソンを初めて走ったときの、あの光景が忘れられなかった。
見知らぬ人たちが沿道に並び、小さな子どもからお年寄りまでが、ひたむきな声で「がんばれ!」と叫ぶ。
まるで東京全体が背中を押してくれるような、不思議な高揚感。
そんなエネルギーに包まれた日が、あるランナーの人生に深く刻まれていた。
「そのとき感じた“何か”を、両親にも体験してほしかったんです。」
そう語る彼が、再び東京マラソンの舞台に戻ってきたのは、ある強い想いからだった。
80歳の父と70代の母。少しずつ体力も気力も落ちていくのを感じる日々の中で、彼はふと思った。
「自分が本気で走る姿や、東京マラソンの熱気が、二人の心に火を灯せたら」と。
そんな想いを込めて応募したキャンペーン。当選の知らせは、思いがけないサプライズだった。特別枠での出場という夢のような知らせに、彼の胸は高鳴った。
迎えた当日。快晴の空の下、街は活気にあふれ、世界中から集まったランナーたちの鼓動が東京を揺らす。
義足のランナー、車いすのアスリート、誰もがそれぞれの物語を抱えてフィニッシュを目指していた。
その中に自分もいる——そう実感したとき、胸に感動がこみ上げた。
レース終盤、身体は限界を迎えていた。35km地点を越えたあたりから意識が朦朧とし、脚が攣り始め、何度も立ち止まりそうになる。
それでも、諦めなかった。遠くで見守ってくれている両親と、「もう少しだけ頑張ってみよう」という心の声だけを頼りに、一歩ずつゴールへと近づいた。
そして、ついにフィニッシュテープを切った瞬間。疲労困憊で何も考えられなかったが、後に見た両親の笑顔がすべてを物語っていた。
走ることで、人は誰かを元気にできる。
そのことを教えてくれた東京マラソン。
そして、支えてくれた人たちの声援が、いつだって自分を動かす原動力だった。
彼にとってこの42.195kmは、単なる記録ではない。誰かを想って走ることの力強さと、かけがえのない感動を証明する旅だった。
今年、Mastercardの「Priceless Surprise」のランナーとして選ばれ、夫婦で大会に出場した女性が、そんな“奇跡の一日”を語ってくれた。
当初、東京マラソンには夫が還暦祝いとしてエントリーし、自身はサポートにまわるつもりだった。
というのも、以前に彼女が東京マラソンに出場した際、沿道から応援し、給水や補給をしてくれたのが夫だったのだ。
「走るだけじゃない、支えることもマラソンの一部だと気づかされたんです。あの時のサポートは、今でも心に残っています。」
しかし、Mastercardの出走権プレゼントキャンペーンを目にした瞬間、心の奥底にあった気持ちがふと顔を出した。
「一緒に走って祝いたい。還暦という節目を、同じフィニッシュラインで迎えたい。」
そんな想いから、彼女は応募を決意。一度は落選するも、「Priceless Surprise」として特別枠での当選の知らせが届いたとき、驚きとともに深い喜びが胸を満たしたという。
「応募理由が素敵でした」と伝えられたその一言が、何よりも嬉しかった。
ふたりで走り始めた日々の延長線にマラソンを始めたきっかけは、健康のため。
12年前、運動不足解消のために、夫婦でジョギングを始めたのがすべての始まりだった。
最初は趣味の延長のようなもので、気が向いたときに一緒に走る程度だったが、次第に走ることの楽しさに惹かれ、大会に挑戦するようになった。
そして今回は、夫婦で初めての東京マラソン出場。「レースだけでなく、練習や準備もすべてが特別でした。シューズを選ぶ時間すら、楽しくて。」
東京のど真ん中を、笑顔と声援に包まれて走る大会当日は、都心の大通りを駆け抜ける贅沢なコース、そして絶え間なく続く沿道からの声援に、心から胸が熱くなったという。
「東京マラソンは、人の温かさに包まれている大会です。ボランティアやスタッフの皆さん、応援してくれる方々……たくさんの笑顔とエネルギーに、走りながら癒されました。」
無事にフィニッシュへたどり着いたとき、そこには達成感だけでなく、穏やかな幸福感があった。
何よりも、夫婦で同じ空気を吸い、同じ景色を見ながら走れたこと。
数ヶ月にわたる練習の日々、準備の楽しさ、レース中のふとした会話。
すべてが、人生の記念日にふさわしい時間だった。
「これは、ただのマラソンじゃない。ふたりの人生に刻まれる大切なページです。」
マラソンという競技を超えた、心からの祝福。それは、どんな贈り物よりも価値ある特別な体験だった。
望月さんが東京マラソンへ応募したきっかけは、小さな「挑戦したい」という気持ちだった。
東京マラソンには、数年前にボランティアとして関わった経験があった。
ランナーの荷物を返却するという一見地味な役割。
だが、その裏側には、疲れ果てたランナー一人ひとりに荷物を間違いなく返すための気配りと緊張感、そして大会全体を支える誇りがあった。
フルマラソンへの出場は今回が初めて。
だからこそ、今年の一般抽選への応募は見送っていた。
だが、偶然目にしたMastercardのキャンペーンが、もう一度心に火をつけた。
一度落選するも、「Priceless Surprise」のランナーとして出走のチャンスを得た。
迎えた当日。スタートラインに立った瞬間から、沿道の声援、笑顔、走る仲間たちの姿が胸を熱くする。
「これが東京マラソンなんだ」と実感したという。
子どもたちの親子ラン、障がいを持つ方、外国からの参加者、ボランティア、そして応援するすべての人たちが、それぞれの想いを持ってひとつの空気をつくりあげていた。
テレビで観た東京マラソン。裏方として支えた東京マラソン。
そして、初めて走った東京マラソン。
それぞれに意味があり、でもやはり「走る東京マラソン」は格別だった。
フィニッシュした今、彼の胸にあるのはただひとつ。
「また、必ず走りたい。」私たちが信じる、人生を変えるような特別な瞬間。
それは、想いと行動が交差するこの場所に、確かに存在していた。